FC2ブログ
家出掲示板で神待ち
家出少女が神待ちしてますっ。助けて下さい!お願いしますっ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
家出掲示板神待ち 世界の果てで逢おう。1

家出掲示板神待ち 世界の果てで逢おう。1



第1話:出会う


 書店内の棚卸下準備のため雇われ店長の有坂保は返品物を大量に作っていた。発注数を読み違えてしまった本や想像以上に売れなかった本などをダンボールに詰め込む作業なのだが、すでに三時間が経過している。
 小休止しようとダンボールに腰かけた時、ジーンズの尻ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。着信音は『G線上のアリア』相手は分かっている。
「美奈?」
「もしもし、タモツ?――今話しても大丈夫かな」
「おー、どうした」
「あのね、お店の傍まで来てるんだけど逢える?行ってもいい?」
 そういえばメシがまだだったことを思い出した。
「今から休憩するとこだから、いいぞ。ついでに食うもん買ってきてくれ。そうだな、マックがいい」
「うん、わかった」
 短い会話で電話が切れた。恵川美奈子とは美術系専門学校時代からの知り合いだった。デザイン科の有坂と映像科の美奈はこの店で出会って意気投合し、交際している。卒業して有坂はここに就職し、美奈は実家の家業を継いで逢う時間が減少しても。
 甲州街道沿いの古びた七階建てのビルが有坂の職場だ。地下一階がマニア向け各専門書とノベルズ各種、一階が月刊週刊雑誌及びAVもの、二階が少女向け各種コミックで三階が少年向け各種コミック、四階が青年誌各種コミックで五階が成人向けコミック全般、六階が多目的フロアで最上階が事務所である。長細い各フロアは成人男性が十五人程度でいっぱいになるくらいの狭さでエレベーターはない。階段のみの移動で、その階段もすれ違うのが精一杯なくらい狭い。トイレは関係者用に一つだけ。客にとっては不親切以外のなにものでもないがそうした不便さと一般書店では到底入手不可能のマニアックでコアな品揃えが受けている。全てが順調だった。仕事と恋愛を両立していると有坂は思っていたのだ。
「来たよー」
 半開きのシャッターを片手で持ちあげ、オレンジのシャツとジーンズにサンダル履きいうラフな格好の美奈が言った。マック特有の匂いがフロアに充満した。閉店時刻はとっくに過ぎていたので、有坂は美奈を迎え入れるとシャッターを全部下ろした。店内には有線放送がかすかに流れている。入り口の自動ドアは電源を落しているので手動で開閉した。
「懐かしいなぁ。全然変わってない…相変らずボロっちぃねこのビル」
 アルバイトの期間は一年。何かを思い出して、美奈は楽しそうに笑っている。はしゃぐ彼女を抱き寄せた。汗ばんだ身体から仄かに香るのは体臭。慌てた美奈は腕から逃れようともがくが抵抗ごと強く束縛する。耳朶を軽く噛んで、耳の穴を舐めた。小さな悲鳴をあげ身をすくませる。
「…タモツ、冷めちゃうよ」
「食欲はあと。先ずは性欲」
 何か言おうとする美奈の唇を乱暴に塞ぐ。夢中で口腔を貪った。脇と上顎を舌でなぞり、唾液ごと舌を強く吸い上げる。右手は背中を滑って行く。シャツの裾から潜り込んでブラのホックを外した。空いた左手は布の上から乳房を揉んでいる。時折乳首を強く摘み上げ、引っ張ると美奈は身体を振るわせた。
「…ん、あっあっ、きゃ…ぁんっ!」
 立ったまま性急に追い上げていくのは、有坂自身に余裕がないからだ。自動ドアに美奈の背中を押し付け、シャツの前をたくし上げると刺激されて硬く尖った乳首に貪りついた。
肌が薄く桃色に染まっている。彼女のジーンズのフロントを広げ手を差し込むと、もう十分濡れていた。
「…入れるぞ、美奈」
「…うん、来て、入れて…お願い…」
 美奈は泣きながら、ねだった。





 ぐったりと美奈が床に転がっていた、乱れた服をそのままに両足を投げ出して。有坂は自分の後始末をしたあと、丁寧に美奈の股間を拭ってやる。久し振りの膣はかなりきつかった。それでも有坂の剛直なペニスで無理やり広げ突っ込み擦って、射精した。彼女は嫌だとは言わなかった。美奈はのろのろと起き上がると、まっすぐ有坂をみつめて彼の名を呼んだ。
「…タモツ、あたしのこと好き?」
「ああ、好きだよ。何で?」
「この前ね、結婚を前提にして付き合ってくれって告白されたの。タモツはそんなこと一度も言ってくれなかったよね?そういうの考えた事ないんでしょう」
 寂しそうに、美奈は続けた。
「ずっと待ってたけどもう限界。別れよう、あたしたち」
 言い切った彼女の顔に、迷いはなかった。
「…そっか…分かった。美奈、最後にひとつだけいいか?」
 美奈の決意に異論を唱えることはしない。多分、美奈が望む未来を作ってやることは出来ないのだ。彼女の言うとおり、有坂は結婚する気などないのだから。
「なに?」
「もういっかい、させろ」
「……ぶっ、あは、あははは、はははははは」
 乱れた服装を直そうともせず、美奈は大笑いしていた。つられて有坂も笑う。ひとしきり笑って、美奈は言った。
「いっぺん死ね、馬鹿」
 
「いてて…」
 右の頬を触ると、顔をしかめた。ひっぱたかれた跡が熱を持っている。まだ腫れてはいないが時間の問題だ。美奈を駅まで送り、夜の新宿駅中央口、ルミネ2号館タクシーロータリーのガードレールに腰かけ煙草をふかしている。唇を動かすたび引き連れたような感覚が走るが、構わず煙草を吸い続けた。
 あと少しで小田急線の終電。仕事も途中で放り出したからこのまま帰宅という訳にもいかない。
 ああ、そうだ、猫の世話を隣の住人に頼んでおかないと。有坂はダルそうにジーンズの尻ポケットから携帯電話を取り出すと、登録しておいたアドレスにメールを送る。用件のみの簡潔なメッセージだ。程なく返信があり、『了解』とシンプルなものだった。
 ポケットへ電話を戻すと、短くなった煙草を靴の裏でもみ消してジーンズのベルトにぶら下げていた使い捨て灰皿へと捨てる。
 有坂は、右前のポケットからクシャクシャになった煙草のソフトパックを取り出すと、最後の一本引き出し火をつけた。吐き出す煙を眺めつつ、思い返す。
 付き合い始めたころは、一番好きだった。五年もたつと愛情なのか親愛なのかが分からなくなってきた。互いに卒業して就職して、どんどん逢う時間が少なくなって、いつのまにか逢えばセックスするだけの関係になっていた。有坂にはそれが心地良かった。婚約とか結婚とか、煩わしかった。美奈も自分と同じ考えなのだと思っていた。それが間違いだと考えもしなかった。そうして突きつけられた別れ。あっさりと受け入れたのはいつかそうなる予感がしていたからだ。がしかし、この虚脱感は想定外だった。
 別離でようやく気が付いた。有坂は、美奈が好きだったのだ。思い出すのは、美奈の笑顔ばかりだった。
(失恋、かぁ…)
 駅のシャッターが閉まり、ホームレスたちが続々と寝支度を始めた。終電に乗り遅れた人々が各々ネオンの海に消えていく。半分に減った煙草を足元に落とし、乱暴に踏みつけて消す。吸殻は勿論回収した。ぼんやりとまわりの情景をみつめていた有坂は、ゆっくりと動き出す。足取りは重たいようではあったけれど。
 南口方面へと歩き出した彼の前に、突然小さな影が飛び出してきた。タクシーのライトで浮き上がった姿に、有坂は目を逸らすことが出来なかった。
 夜の繁華街には不釣合いの、その姿に。




(世界の果てで逢おう。 第1話おわり/第2話につづく)

スポンサーサイト
[PR]

コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。